今度こそじゃなく。
2019年 06月 11日
ごめんなさい、って言われてもすっきりしないこともある。
申し訳ありません、と言われても怒りがおさまらないこともある。
許してください、と言われても絶対に許せない、と思うこともある。
ごめんなさい、もう二度としません。
何度、息子に言われたことだろう。
そのたびに、どこかでほんのちょっとだけ期待してしまう私が悲しかった。
今度こそ薬物をやめてくれるんじゃないか。
今度こそちゃんと生きてくれるんじゃないか。
今度こそ。。。
快楽を求めて薬物を使用する。
息子が薬物を使用していると知った頃、私もそう思っていた。
けれども、時がたつにつれどうやらそうでもなさそうだと気づいた。
薬物を使用していても、息子は辛そうだ。
ハイになって、楽しそうにしているのを見た覚えがない。
ならどうしてやめないの?
何度も何度も、泣いたり、怒ったり、喚いたり、脅したり、懇願したり、優しく諭したりして、薬物使用を止めようとした私。
それでも息子は止めない、いや止められなかった。
そんなに辛いなら、止めたらいいのに。
辿り着いたところで、「薬物依存症は病気です」と言われた。
そんなバカな!
そう思ったと同時に、その言葉に救われた。
そうか、病気なんだね。よかった、病気なら治るよね。
「いえいえ、完治はありません。けれども回復可能な病気です」
希望があるのか、ないのか、わからない言葉が返ってきた。
それがいつしか希望になり、怒りも恨みも苦しさも消えていった。不思議だね。
そして息子は今日一日薬物を使用しないで生きている。
だから、私は、「二度と薬を使いません」ではなく、「薬物を使わないで今日一日を生きます」と言われたら安心する。信じることができる。
今度こそ、じゃなくて、今日一日なんだ。
土下座なんかしなくていいんだよ。
誰かを傷つけたなら、迷惑をかけたなら、ごめんなさい、は必要だけれど、そのあとどうするかが大切なんだよ。
あなたが、自分を傷つけることを止めて、今日一日を生きることから始めてはどうだろう。
今日一日を生き続けている人たちが集う場所に行ってみよう。あなたも希望をみつけることができるはず。
私はこの一日だけを生きようとします。私の人生すべての問題をいっぺんに片づけようとはしません。
一生続けなければいけないと思うと恐ろしくなることでも、24時間だけならやっていけます。
*NINA*
by familiesofaddicts
| 2019-06-11 13:18
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