雨の日に
2019年 07月 25日
雨の日が続くと出かけるタイミングを見計らってしまいます。
昨日も家に閉じこもっていたからと「お散歩しょっか?」の声に浮足立つワンコ
外に出ると小雨が降っていて…
今更行けないとも言えない…傘をさしながらでもいいかと、思いきって出かけました。
近所の公園には、親子連れが遊んでいて…
雨足が強くなるにつれ帰っていきます。
トボトボと歩いていくとベンチの上にワンコが飛び乗って、その上で遊びだしました。
ベンチの上が濡れていないので雨が止んだのかなと思いました。
見上げると、とても大きな木の下です。
なるほど…生い茂った葉っぱが雨粒をよけてくれています。
辺りを見渡すと一組の親子連れが虫かごと網を持ってやってきました。
こんな雨の中で昆虫採集?と思いました。
それにしてもこの雨の中、濡れるのを承知でやって来たお母さんに感心。
傘を持たずにいっしょに遊ぶなんて潔い~雨にも負けずって(笑)
その後、私達は屋根のあるベンチに移動しました。
まだ、さっきの親子はいます…
ふと目をやると、なんと彼らは私達が雨宿りしていた三倍程の高さの木の下で遊んでいます。
…あそこなら雨に濡れない…いい考えだわ…
辺りをぐるっと見渡すと、それは公園の中で最も大きな木のようです。
いつも木陰をつくってくれたり、今日のように雨をよけてくれたりするのだけど…
そんな恩恵に気づきません。
木を見上げて思いました。
茂った葉っぱ達が雨粒をよけてくれてる…
まるで様々な支援者の方々が、依存症者やその家族を支え守ってくれているのと同じ…
社会の中で依存症への理解を促すために、時には異を唱え孤軍奮闘してくれています。
私達依存症の家族は、世間体を気にして社会の中で苦しい思いをしてきました。
今でも肩身が狭く苦しんでいる仲間がいることを常々みています。
雨粒のかからない大きな木の下で、時々がっかりするような偏見に不安を抱いていました。
だけど取り合えずこの場所にいれば安全かもしれない、このままでいいと…
そして社会の依存症への理解は為されないのが当たり前、分かるはずがないと諦めてもいたのです。
だけど木の下にいて守られるばかりでなく、枝に生い茂る葉っぱのように
現在も苦しんでいる、まだ見ぬ仲間に降り注ぐ冷たい雨粒が減ってくれればいいなと
社会的な偏見に捉われずに、依存症からの回復にのみ励めたらどんなにいいか
メディアからうける先入観が、当事者の回復の妨げになるのは残念なこと
苦しい人々への支援こそが優先されてほしいのです。
ある支援者の方が書いておられた記事に
「現場にやってくる構造的な支援からこぼれ落ちた最悪の人達を、最底辺のピアサポーター達が相手をする。その人たちが良くなると、もっと最悪な人たちのサポートが可能になる。」(抜粋)
胸打たれますね。
こうして失敗した経験を繋いできた仲間たちが、根をはり幹を伸ばし枝葉をつけてきたのだと
失敗を歓迎し自分たちのありのままを認め合える世界って、そんなにないと思います。
そんなことを考えながら、ワンコと穏やかな時間を過ごしました。
Luna