今朝のこと。
2019年 08月 27日
昨夜遅くに息子が家にやってきた。
翌日の仕事が我が家からほど近い場所にあるからだ。
話が弾むこともなく、お互い淡々と自分のしたいことをして過ごした。
そして、「じゃあ、また来るわ」と言って息子は仕事に出かけた。
私たちは、どちらからというと、仲の良い親子だった。
それなのに、中学に入学と同時に荒れていく息子になすすべもなく、途方に暮れた。
そんな時でも、私たちはよく話をした。薬物を使用している時ですら。
次男気質というか、彼は人懐っこくて、年配の人や、学校の先生、先輩に可愛がられる。
問題を数々起こしても、いつも気にかけてくれる人がいて、救いの手を差し伸べてくれた。
それでも、彼はその手を掴むことなく、薬物に溺れていったのだ。
なにが原因なのか、気が変になるくらい考えた。
彼に優しく尋ねてみたり、詰問したりした。
彼自身も、薬を使い続けている理由はわからなかったのかもしれない。
そして、今も私は、明確な答えを知らない。
私が知ったところでどうなることでもない。
それは、彼にしかわからないことだから。
回復施設に入所したのち、プログラムを終了した頃から時々家に来るようになった。
その当時からつい最近まで、私は以前のようにあれこれ話をする関係に戻ろうとどこかで思っていた。
いや、しらふで生きているのだから、以前より真っ当な、大人の会話を求めていたのかもしれない。
けれども、回復を続けている彼は、私よりずっと境界線を大切にしている。
無理に話すことはない、話したいときに話す、それでいいんじゃない?
彼が家にいると、以前のようになにも手につかなくなり、彼の傍らに留まってしまう私に、無言の彼が「それは違うよ」と教えてくれる。
確かにそうだ。
なぜ私はそこに留まっているのか。
話しが弾むこともあるし、弾まないこともある。
それはごく自然なことだ。
話し続けることが、いいことだとは限らない。
まだ私は、息子を気遣う母親を演じ続けようとしているのだろう。
息子をひとりの人として尊重することができていないのだろう。
長い月日をかけて、やっとここまでたどり着いた。
家族もまた回復には時間がかかるものだ。
息子を見送りながら、そんなことを思った朝。
*NINA*
by familiesofaddicts
| 2019-08-27 11:15
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