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最後に教えてくれたこと。

親の介護に関する記事を読んで、久しぶりに亡くなった父のことを思い出した。

50代半ばに脳血栓で倒れ生死をさまよってから、「病気知らず、医者いらず」を誇っていた父の人生は大きく変わった。
脳血栓による、失語、利き手の麻痺を根気よくリハビリで克服した父。なによりも生きたい、というすさまじいまでの執念が父を支えていた。
そこからの父は、食生活・生活習慣を見直し、健康的な日々を送って、回復した喜びに満ちていた。
数年後、リンパ腫が父を襲った。あと一日受診が遅れたら、命がなかったと医師に告げられた父だったが、再び奇跡の復活。
なんて強い人なのだろう、と思った。
それからしばらくして、今度は膀胱がんを患った。
それでも、父は頑張った。家族はそのたびに右往左往したが、父は見事に復活したのだ。
しかし、思わぬところに敵がいた。
視力を失ってしまったのだ。そのことに関しては、今でも担当した医師に対しての不信感は拭えず、どうしてセカンドオピニオンを勧めなかったのかと後悔が残る。
視力を失ってしまった父は、あんなにも強靭な生命力を持っていたのに、年老いたことも影響したのか、生きる意欲を失ってしまった。
鬱傾向になり、家に引きこもってしまったのだ。
どんなに家族が外に連れ出そうとしても、梃子でも動かなかった。
ただ、日がな一日、背中を丸めて座っているだけの父。

私たち家族は第三者に助けを求めた。
他人が家に入るのを頑として拒んでいた父だったが、ケアマネージャーさんとの面談では予想外に穏やかに話すことができた。
そして週に3回やってきてくれる、爽やかな理学療法士さん、陽気なヘルパーさんたちを心待ちにするようになった。
ご近所をヘルパーさんと散歩するようにもなった。
笑顔が増え、食欲も復活して、なんだかいい感じだね~、とホッとした頃に、突然父はこの世を去った。
父の心臓はある日、なんの前触れもなく止まってしまったのだ。
たくさんの人に見送られ、父は逝った。その中にはケアマネージャーさん、ヘルパーさんの姿もあった。

介護は家族に求められがちだが、家族だからこそ難しいことがたくさんある。家族だけでは解決できない問題がある。
第三者に入ってもらうことで、うまくいくことがある。父のように。
誰かに助けを求めることは、恥ずかしいことではない。
むしろ助けを求めた方がいい。

父のことを思い出しながら、あれ、これって父が最後に私に教えてくれたことじゃないか?
そうだよ、どうして気づかなかったんだろ。
どうして、依存症の問題が起こった時に、私はそれに気づかなったんだろ?
どうして、家族で解決しようと思ってしまったんだろ?
父よ、娘は今頃になって、あなたが教えてくれたことに気づきました。
相変わらずの娘を許して。
でもね、あなたと息子の経験を通して、やっとそのことが、大切なことがわかったよ。
ずいぶん時間がかかったけど、今度は間違えないようにするからね。

 *NINA*






by familiesofaddicts | 2019-09-24 13:00 | Comments(0)