助けてもらう
2019年 10月 03日
ある夜、混んだ電車の座席で目を閉じていた。
少しの倦怠感
気になる音も無かった。
はて?何か頭の上の方で気配が…
目を開けると、よじれた吊革をつかんだサラリーマン
大胆に前後に揺れている
大丈夫かしら…
手を離しでもしたら私はどうすればいい?
のしかかってきたら
支えられるか…無理よね
体が緊張してきた
「大丈夫ですか、お座りになりますか」と
我慢しきれず声をかけた。
「大丈夫ですぅ」と返事が返ってきた。
無理強いしてはいけないし…
でも揺れは止まらない
見ると隣に腰かけた男性も
その様子を凝視
落ちてきたときのことを考えて
身構えてるのかも…
思い切ってその男性に尋ねた
「危ないですよね」
こっくりと頷く男性
同意を得た私は席を立ち
「どうぞ腰かけて下さい」と
「いえ、次で降りますから…すみません」
隣の男性と顔を見合わせ…また座る
しばらくして駅に到着
酔った男性は「すみません」と挨拶
倒れないでなにより
隣の男性は私と会釈を交わし
同じ駅で下車された
ホッとした~長い15分だった
疲れも吹き飛んだ
酔っている人に声をかけることが
何故できたのかな
私の苦手とする類の人なのに…(暴飲酒者にトラウマがある)
お隣の男性との
束の間の連帯感
お陰で勇気が湧いたのだと思う。
わが身を危険から守ることも必要
困ったら助けてくれる人をさがすこと
とっさにできるように
なってきたのかも
娘の依存症の回復のために
助けを求めることが
大切だった。
心がチクチクしているのに
頑張りが足りないと踏ん張って
家族だからと…
同じことをグルグル繰り返して
そんな状況からの方向転換
人の助けがなければ変えられなかった
苦しいのなら
この方向は間違っていると
誰かの言葉で気づけるといい
Luna