僕のかわいい次男坊 その② 破滅のはじまり
2019年 10月 04日
次男坊にひと通り話を終え 約束をさせ自分を安心させた
結局その日 次男坊は帰ってこず
少し不安の中 眠りについた翌日気分を変えようと
パートナーとランチに街に出て お寺に行きお参りをした
これで大丈夫 何とかなるやろうと心に言い聞かせ願った
来週からは次男坊も学校に戻りまた 普通に通い卒業まであと
1年ちょっと 就職し少しづつでも大人になっていくだろうと
誰にでもある 思春期の不安定な時期を乗り切れると
僕にもあった時期を次男坊も同じ様に乗り切って行くだろう
信じて疑わなかった。
帰り道 車の中で携帯が鳴った 長男坊からだった
慌てた様子で 次男坊頭おかしなったん わけのわからん事言うてるで
一瞬にして全てが崩れ落ちた気がした 電話を出る瞬間まで 思い込もうとしていた
偽りの理想が崩れる瞬間だった すぐに帰るからと言って急ぎ自宅に戻った
長男の話によると 家に居る筈のない人を探しに家に戻り 居ないと分かると
お金の打診をしてきたとの事 長男坊が断ると家を出て行ったと なんで引き止めへん
かったと長男坊をもう少しで 罵倒しまくる所だったが 気持ちを抑え
次男坊が行きそうな場所の心当たりを考えた 近くに実家があり母親に聞いてみると
さっき来ていたとの事 何も知らない母親は答えた 友人を迎えに公共施設にいくから
お金を貸してくれと そこから僕の大捜索が始まった 町中を何十週と車で回り
いたる所のコンビニに行き 友達に電話を掛けまくり 小さな情報でも飛びついた
車を止め 歩いて細い路地裏を歩き続け 次男坊を早く助け出す事だけを考え
無事を心から願いった 悪い夢であって欲しいと心で叫びながら
すっかりあたりも暗くなった 寒い冬の日 寒さすらもわかないほどに
一人 歩きつづけた…
やぶれた タカのつばさ