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タンポポの綿毛が風に乗って種子を運ぶように私たちの思いが​苦しんでいるあなたのもとへとどきますように。


by 関西薬物依存症家族の会

週末の夜のこと。

先週末にある写真家の写真展&トークショーに行った。
大好きな作家の本の表紙の写真に心惹かれ、だれが撮っているのだろ、と興味を持ったことで彼を知った。
その大好きな作家と彼のトークショーが我が家のすぐそばであるのだから、これは行くしかない!

自分のやりたいことのために、撮りたいもののために生きている。
けれど、お金なんて関係ない、みたいなキレイごとは言わない。
彼の写真、生きざま、言葉に圧倒された。
そんな彼を応援できる大人でありたいと思った。

ちょっと待って、自分の息子だったら、同じこと言える?
もう一人の私の声が聞こえた。
彼は、私の息子とほぼ同じ年齢なのだ。
ぐぅ、と言葉を飲み込んだ。
きっと反対はしない。応援もする。けれど、その危うさにやきもきし続けるだろう。
自分のやりたいように、生きたらいいんやで。と、言った先から、けど、これだけは気をつけてね、なんて言うに違いない。

息子をひとりの人として見ることは、なかなか難しい。
ひとりの人として尊重することがずっとできないでいた。
それは、依存症だから、ではない。
私の子ども。
ずいぶん長い間、無意識のうちに息子は私に属する人だと思っていた。
そして、今も時々そう思ってしまうことがある。

写真家の彼を応援するように、シンプルに応援してるよ、と言えるようになりたい。
心配したり、不安になったりしても、それは私の感情に過ぎない。
それを解消するのは、息子ではない。

やっぱり、行ってよかった。写真を見てよかった、話を聞いてよかった。
新しい人と会い、話を聞いたり、話をしたりすることで、私の狭い世界は少し広がる。
私は私、息子は息子、ひとりの人としてお互いを尊重して生きていきたい。
ほんとはもっと前にそうできたらよかったんだけど。
許せ、息子よ。
でも、今からでも遅くないよね。

また少し世界が広がった週末の夜。

  *NINA*




by familiesofaddicts | 2019-10-08 11:21 | Comments(0)