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仲間とは

このブログを読んでくださっている方の中には、頻繁に出てくる「仲間」という言葉になんなんだ?と疑問をもっている方もおられるかもしれない。

何年もの間、息子の薬物依存の問題を誰にも相談できずに孤独な闘いを続けていた私が、どうにもならなくなってたどり着いた先の回復施設のスタッフから、「お母さん、まずあなたが自助グループに通って!そこからが始まりだよ」と言われた。
相談したらすぐに解決策を教えてもらえると思っていたら、自助グループに通うことが始まり?
全く気乗りはしなかったけれど、とにかく言うことをきいておかないと、つかんだ藁を手放すことになる。
ただ、それだけの思いで自助グループに参加したあの日。
どんな集まりで、どんな人が参加しているのだろう?
人見知りな私は、恐るおそる扉を開けた。

予想に反して、そこにいる人たちは、初めて訪れた私を優しい笑顔で歓迎してくれた。
「なんなんだ?この穏やかさが、にこにこ笑顔が怖い。宗教なの?」
それは、それで恐ろしかった。
ミーティングが始まり、参加者がそれぞれ話を始めた。
参加者の穏やかな雰囲気からは想像できない壮絶な話が次から次へとシェアされていった。
「こんなにも大変な状況なのに、なんでこの人たちは落ち着いて話をしてるの?そして、さっきから何度もみんなが仲間に助けられて、とか仲間のおかげでって言ってるけど、仲間ってなに?なんか、怖いんですけど」
正直、そう思った。「仲間」という言葉に違和感と拒絶反応があった。
私の話す番になった。
今まで誰にも話したことのない息子の問題を、自分でも気づかないうちに話していた。そして、泣いていた。
なぜ、話せなかったことを話し、人前で泣いたことのなかった私が泣いてしまったのか、自分でも不思議だった。

そうやって、私は自助グループに通い始めた。
今まで本人の意志の弱さだと思っていた薬物依存症が病気だということ、そして私と同じような経験を持つ人たちがたくさんいることを知った。
家族で解決できる問題ではない、ということを知った。
ひとりではとてもできそうにない解決策も、私と同じような経験を持つ「仲間」と呼ばれる人たちが一緒だとなんとかやっていけることがわかってきた。
そして、私だけではなく、息子にも息子と同じような経験を持つ仲間がいることがわかった。
そうか、それならよかった。
私が仲間の中で回復していくように、息子も仲間の中で回復していくのだ。

「仲間」は友人でも、同僚でも、家族でもない。
「仲間」という言葉以外に置き換えることができない、不思議で、力強い、受容と寛容、信頼、愛のある言葉だ。

同じ経験を持たない人たちとも、いつか「私たちは仲間だね」と言えるようになりたい。

  *NINA*

by familiesofaddicts | 2019-10-22 13:54 | Comments(0)