6年という歳月
2019年 11月 20日
依存症の回復施設を飛び出した息子から、
「かあさん、オレ元気にやってるから~」と電話があったのは、
それからしばらくしてからのことでした。
心配で不安で過ごしてきた数日、
携帯の画面に公衆電話の表示がでたとき直感したのです。
外出先だったため外に飛び出して電話に出ると、
息子の声が聞こえてきました。
元気だというのに沈んだ声、
私は「そう~」とか「ウンウン」としか返す言葉がありません。
愛おしさで感情があふれて話すことができなかったのと、
息子の言葉に何と言ったらよいのか分からなかったのです。
雪がちらつく寒い寒い日で、
一層心の震えが止まらなかったのを覚えています。
あれから6年という歳月が経ちました。
息子からは、
元気で暮らしているという主旨の手紙が数枚届きました。
息子の人生の再出発が始まっているのかどうかは分かりませんが、
回復のあり方は一様ではなく人それぞれであることを思えば、
その時がきっとあると信じています。
違法薬物をつかったことで、
息子の人生はもう取り戻すことができないと思っていた頃とは違い、
私たち家族にも回復という再出発があるのだと、
希望が持てるようにやっとなったように思います。
続いている薬物報道、
さすがに心が揺れることはありますが、
以前より治療や回復という言葉を多く耳にすると、
希望はあるんだと、
心が折れずに歩いて行くことができています。
苦しみの中にあっても、
希望があれば、
自分の人生を大切にできるのではないかと思うのです。
そして自分以外の人の人生も・・・
*sheep*
by familiesofaddicts
| 2019-11-20 22:22
|
Comments(0)