兄弟の思い
2020年 01月 29日
依存症の長男と7歳違いの次男
薬物による長男の変化に怯えていた次男は、
高校から寮に入り、
大学も地元ではないところを選んだのです。
私と夫は、
次男を巻き込みたくないという思いから
本人の希望を快く受け入れました。
二人のために距離を置く必要があったのです。
次男はめったに家に帰ってくることはありませんでしたが、
連絡はよく取り合っていました。
私たちのことがいつも気になっていたのでしょう。
そんな次男が通学途中、
雪道でバイクがスリップして転倒したのです。
幸いにもかすり傷で済んだのですが、
それを知った長男は、
バイクは危ない車の方が安全だと言い出しました。
まだ学生には早いという私たちの言葉など気にとめず、
長男は運送会社でバイトして、
数ヶ月のうちに車を買うことができたのです。
自分で次男のところまで車を届けて、
戻って来た時の満足げな顔は自信にあふれていました。
それなのに、薬物は簡単には止められなかったのです。
7年前の
「兄ちゃん、どうなるん?」
「父さんと母さん、これからどうするん?」
と言った次男の言葉は衝撃でした。
それは、
薬物依存症の長男の心配だけではなく、
私たちの生き方を問うものだったからです。
私たち夫婦は、
息子が薬物依存症だということに恐れ、
現実に向き合うことから逃避していたことを、
まざまざと思い知らされることになったのです。
長い道のりでしたがここからの出発でした。
いろいろあったけど、
子どもたちからたくさんのことを教えられました。
今では、
自分の力ではどうすることもできないことがあることを、
心から受け入れることができています。
*sheep*