ライブハウスの熱狂の中で。
2020年 02月 26日
目の前で、素晴らしいパフォーマンスをしているバンドのメンバーの一人は薬物依存症からの回復者。
そのパフォーマンスに熱狂し、踊り、拳を突き出し、心からその音楽を楽しんでいるオーディエンスの一部もまた薬物依存症の回復者たち。
私と息子もまたその中にいる。
違法薬物を使ったからと、そのパフォーマンスや楽曲を否定する人たちがいる。
そう思うことをやめて、とお願いすることはできない。それはその人の感情だから。
あなた自身が、CDを買ったり、曲を聴かなければいい。映画や番組を観なければいい。
あなたにはそれを選択する自由がある。
けれども、他の人にそれを求めたり、声高に否定的な言葉を投げつけるのはやめてほしい。
私は、世界中の回復者のパフォーマンス、彼らを愛し応援する回復者たちを誇りに思う。
そして、変わらず彼らを愛するファンを尊敬し、愛している。
彼らはいつも仲間たちに、その家族に、希望と一歩踏み出すチカラを与えてくれる。
私もあなたも、失敗したり、間違ったりする。
人に迷惑をかけずに生きていくことはできない。
誰の手も借りず、誰の助けもなく、生きていくことはできない。
失敗しちゃいけない、間違っちゃいけない、迷惑かけちゃいけない、手を借りちゃいけない、助けを求めちゃいけない、そんな世界はとても生きづらくはないか?
困った状況に陥った人たちに、手を貸すのが無理でも、遠くからちいさな声で「頑張れ」と言ってくれないかなあ。
私もまた、あなたが困った時には「頑張れ。やり直せるよ」と必ず応援するよ。
「許せない」のベクトルをほんの少しだけ「受け入れる」に向けると、この世界の誰もが生きやすくなるんじゃないかな。
ライブハウスの熱狂の中で、そんなことを思い、願い、祈った。
*NINA*
by familiesofaddicts
| 2020-02-26 11:37
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