幸せの魔法を私にも、あなたにも。
2020年 08月 25日
母親の手作りご飯は愛情をわかりやすく示すバロメーター。
その呪縛に苦しめられている多くの母親たちがいる。
昨日からツイッター界隈で繰り広げられる経験者たちの言葉の数々に激しくうなずくワタクシです。
思い返せば、バブル真っ盛りのあの頃。
夫もご多分に漏れず、仕事や仕事関係者との付き合いで爆裂忙しくて、ほぼ、いや99.9999%ワンオペ状態。
目を離すととんでもないことをやらかす、こちらも爆裂やんちゃな幼子二人を抱えながら、どんなことがあってもご飯だけは手作りで愛情込めて作らせていただきます!とこだわった。
料理が特別好きでもなく、得意でもないのにね。
朝から晩まで息子たち相手に走り回って疲れていても、愛する息子たちのために手間ひまかけて料理を作る。
お~い、ご飯できたよ。さあ、食べよう。
いただきま~す。これ美味しいね~、と言いながら元気にパクパク食べる息子たち。
ほんと、美味しい?わあ、母さんうれしいわ。とほほ笑むワタクシ。
いやいや、そんなドラマみたいなことあるかいっ!と声を大にして言いたい。
どんなに頑張って作っても、
えぇぇぇ、お魚?お肉がいい!
こんなん嫌いや!もう、いらん。
一刀両断にワタクシが愛情こめて作ったご飯をバッサバッサと切り捨てる息子たち。
最後まで食べさせるのにどれだけ苦労したことか。
幼い頃に限らず、成長する段階ごとに、いとも簡単に愛情込めた料理を切り捨てる息子たち。
そりゃ、そうさ、食べたくないこともある。私も経験あるよ。
けどね、どんなに疲れていても、どんなに具合悪くても、ちゃんと料理したものを食卓にのせなきゃ、って頑張ってきたのよ。
って、これなんの呪い?
具合が悪い時は、手作りじゃなくていいよね。
疲れているときは、テイクアウトでもいいじゃん。
時間がない時には、冷凍食品だってかまわないよね。
母親は必ず、ご飯をきちんとつくらなきゃいけない。
それが母の愛なのです。
そうなの?誰が決めたの?
疲れて不機嫌な顔をして作ったご飯に愛情は込められているか?
時間がなくて急いで料理している時に、子どもたちを怒鳴り散らしたことはないか?
不機嫌の込められたご飯。
怒鳴りまくって作ったご飯。
愛情なんてこもってないよ。
これって本末転倒だよね。
よしっ、今日はハンバーガー買ってこようか。
やったー!
今日は、美味しい冷凍餃子を焼こう~。
餃子大好き!
で、よかったんじゃない?そっちの方が楽しかったよね。
かようにして、「母親の愛情」という呪文を私は自らにいたるところでかけ続け、挙句の果てに「あなたたちのためにやってるのよ」と息子たちにも呪いの言葉を吐いた。
依存症という問題が起こった時にも、母親たるもの愛情で息子を救わなければならない!と新たな呪文を自分かけた。
その呪文は自らのみならず、世間からもかけられたので、なかなかに強力で、解き放つにはずいぶん時間がかかった。
呪文を解き放った仲間たちが、その解き方を教えてくれなかったら、私は今でも沼の底に沈んでいただろう。
沼の底は絶望的に暗いけれど、慣れるとそんなにも居心地は悪くない。
自己憐憫で流す涙も沼の底では生温かく、身体に馴染んだドロドロは私を安心させた。
いやいや、そこにいてはダメだよ。
そこは人が住むところじゃないよ。
と、沼から引き揚げてくれる仲間たちがいたから、今わたしは楽に呼吸できている。
呪文じゃなくて、幸せの魔法を私にも、あなたにも。
*NINA*
by familiesofaddicts
| 2020-08-25 13:38
| NINA
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