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タンポポの綿毛が風に乗って種子を運ぶように私たちの思いが​苦しんでいるあなたのもとへとどきますように。


by 関西薬物依存症家族の会

なんという一日。

先週、大切な仲間が突然この世を去った。
私の回復の原点にいる人たちのひとり。
大きな喪失感があって、なんだか足元が心もとない。

当事者とその家族、立場は違うけれど依存症に苦しみ、困難な時を過ごし、生き直すことに取り組む仲間だ。

昨日、その仲間の葬儀に参列した。
彼がこの世を去る日まで精魂込めて仕事をしていた自然に囲まれた地での葬儀。
大勢の仲間たち、そして彼が関わってきた人たちが彼を見送った。

彼を見送るために集まった新しい仲間たちに出会い、懐かしい仲間たちに再会し、彼の存在がどれほどたくさんの人に影響を与えたのかを改めて思い知る。
こうしてまたたくさんの仲間たちの中に、私を誘ってくれた彼は大きな大きな愛の人だ。

自宅のテーブルの上には、翌朝目覚めたら取り掛かる予定の作業とこれからの計画という夢がたくさん綴られたメモが残されていたと聞く。

彼のように、そして葬儀に参列していた懐かしい仲間たちのように、薬物を止め続け、新たな人生を生きている人たちがいる。
多くの人たちは、無名のその人たちの存在を知らない。
新しい仲間たちもまた、薬物を使わずに生き直すために今日一日を生きている。
多くに人たちは、その人たちの存在を知らない。
ああ、この姿を見て欲しい、知って欲しい。と、思った。

穏やかに微笑んで横たわる彼の姿に、その傍らに優しくたたずむお姉さまの姿に、かつて私が回復のための一歩を踏み出した日の気持ちが溢れ出てきた。
そうだね、あの日を忘れちゃいけない。

なんという一日。
喪失感、寂しさの後に、赦しと寛容さ、感謝と尊敬、そして最後に大きな愛に満たされた一日。

今日という新しい一日を、生きよう。

ありがとう、またいつか。

    *NINA*



by familiesofaddicts | 2020-11-24 14:15 | NINA | Comments(0)