関西薬物依存症家族の会のブログ
2022年 02月 12日
次回の家族相談会は2月20日(日)です!
「江夏 豊ってスゴイ投手やったん?」
タブレットをタッチしながら聞いてくる孫。
彼とは数年前から週末をグランドで過ごしている。
最近、たびたびプロ野球選手に関しての質問を繰り返してくる。
野球に興味が湧いてきたのかな‥?
ゲームの方が数倍楽しそうやけど‥!
ユニフォーム姿や打撃フォームが‥、
薬物依存症者の少年野球時代と酷似している。
ゲームに没入して止め時を決められない点が‥、
薬物依存症者の性格とオーバーラップする。
彼も息子と同じように依存体質なのかも‥?
と、なんとはなしに感じる時がある。
まぁ‥、
そんなときが訪れたとしても大丈夫やろなぁ。
息子のときほど、慌てふためき迷走はしないはず。
などと漠然と思いにふけっていると‥。
「どんな選手やったん?大谷みたいな選手?」
と、重ねてくる彼。
「1960年~1980年代に大活躍した伝説の左腕投手やねんで」
「阪神タイガースに始まり5球団で大活躍したんやで」
「オールスターでの9者連続三振を奪取した唯一の投手」
「日本シリーズ最終戦での『江夏の21球』が超有名」
「延長11回でのノーヒットノーラン。しかも自身でサヨナラHR」
「それとなぁ‥‥‥」
アカン。
話がとまらん。
朝までかかってしまう。
「最強やん!」と、彼。
おじさんも左投げでピッチャーやってんで。
なかなかエエ球投げてたんやで。
そやのに中学の途中で野球を止めて、
不登校になり、坂道を転げ落ちて行き、
薬物に依存するようになってしもたんやで。
と、彼のおじさんであり・、
私の息子のことは伝えることはせず。
「あなたも野球が好きなら上手く成れるで」
「‥‥‥‥(孫)」
「伝説の左腕のように‥!」
戸惑いながら、にっこりと笑う表情をみつつ‥。
(心の中)
ホンマは、もっとスゴイ伝説が‥、
まだまだあるねんで。
20世紀最高の投手のひとりと称賛された選手は、
引退後、覚醒剤所持・使用で実刑判決を受けたこと。
しかし、出所後、回復へと向かい‥、
今でも野球界の重鎮として活躍していること。
あと‥、
おじさんも薬物に翻弄された人生を送っていたけれど、
いまでは、懸命に「生き直し」をしている‥、
我が家のレジェンドなんやで。(カッコええやろ!?)
いつしか‥、
こんな話を普通に自慢して
彼に話せる時代になっていて欲しい。
薬物依存症は、病気なんやで、と。
Pon & Cotsu