職場での出来事
2022年 04月 14日
工場勤務の私は、工場内の確認に赴き
設備の様子がおかしいことを管理者に伝えた
その管理者は、担当者に伝えたのちに
二人は機械設備の前に立っていた。
担当者の彼は不服のオーラを出しまくって
手を腰に置き機械の前に立っていたが
暫くしてその場から勝手に離れていった。
ドン・ガシャンと大きな音を立てて作業をしたり
何か大声を出して物を蹴っていた。
普段は、穏やかな性格でありその様なことは見かけない。
ただ彼は、仕事中にミスやパニックになっていることが多い作業者だ。
状況から判断して、明らかに担当者のミスであり逆ギレである。
私は、遠目で彼をしばらく観察していた。
以前の私であれば、彼の行動を叱責していただろう。
逆ギレした理由は、彼なりの事情があり彼なりの正義があったはずである。
これは、依存症者に対しても同じようなことをしていた
彼らの気持ちでなく、その行動だけに目を向けていた事を思いだした。
私は彼のところに行き話しをした。
「どうしたの?何故そんなにイラついているの?」
「イラついているのは、私に?管理者に?自分にか?」
彼は、重い口を開いて
「あれは朝からその状態だった、私が操作してからではないです」
私は、「そうなのか~」・・【本当は彼が勘違いしているが話を聞いてみる】
そして彼は、「自分を否定されて、責められている様だった」
私は彼に、自分の中では精一杯の穏やかさを装って、彼に状況を説明した。
「日頃穏やかな君が何で?その様なものに当たる様な感情になったのだ?」
「自分の気持ちのどこが傷つけられたのか?」
彼は、「忙しくて出来ないし・・・」と話し続けた。
私の頭の中では、依存症者の息子との過去のことが駆け巡った。
学校のガラスを割ったこと
喧嘩をしたこと
先生に注意された時、お気に入りのTシャツを破かれたこと
その行為だけに注目し、学校で怒られたことを「お前が悪い」と一方的に決めつけたこと
記憶が鮮明に蘇って、苦しい感情が湧き上がってきた。
なぜ、もっと息子に寄り添ってやれなかったのか。
結果がすべてではなく、経過も重要であった。
経過を認めてもらえると、未来の行動が良くなることもある
しかし、一歩間違えば物事を正当化したり助長する事にもつながるので
注意しなければならない事だ。
私は、自助グループに参加して
仲間の体験談を聞くことで、依存症者の気持ちを聞き取れる練習ができる
自分の話をすることは、依存症者に自分の気持ちを伝える練習ができる
この体験が依存症者と向き合うとき
その場合はどうすべきか?を、気づかせてくれます。
一番大きなことは、私の気持ちを理解して貰ってるという感覚
そして支えてくれる仲間が居ることを実感できることです。
それは、追い詰められていた私の心の落ち着きにも繋がりました。
ちなみに彼は、翌日明るい笑顔で出社してくれました。
GENGEN