秋の夜長に思うこと。


私が三十三歳の時に夫はガンで亡くなりました。
7ヶ月ほどの闘病生活であっけなく逝ってしまいました。
その時は医師も看護師も夫と同じ部屋の患者さんも私の周りはみんな味方でした。
皆さんとても優しく、最後の一週間は二人部屋を用意して下さり夫の隣のベッドで私がゆっくり休めるようにもしてくれました。
「奥さんがこれから生きていくために納得のできるように過ごしてください。」と言われた師長さんの言葉はずっと私の心に在ります。
十年後
四十三歳の時に娘は非行に走り、転がり落ちるように薬物に依存していきました。
十六歳で逮捕。
学校の先生、弁護士、警察、家裁調査官、保護司の先生・・・
愛情不足だと言われたり、甘やかし過ぎだと言われたり、片親だから寂しいのだろうと言うことも遠回しに言われました。
私の周りに味方などなく孤独でした。
辿り着いた自助グループで薬物依存症という病気を知りました。
娘は薬物依存症という病気だと私自身が理解を深めても世間は違います。
夫の罹患したガンも娘の薬物依存症という病気も同じ死に至ることのある病なのに世間の対応は天と地ほどの差があります。
自助グループに繋がって、私はいないと思っていた味方をたくさん見つけることができました。
あのまま孤独だったら私も病気になっていたでしょう。
夫のことも娘のことも私の人生の中の悲しい出来事ですがそれも必要な出来事だったのだと今は思えています。
亡くなった夫が教えてくれたこと、娘が教えてくれたこと、仲間が教えてくれたこと、心に刻み幸せに生きたいと思います。
おむすび

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by familiesofaddicts | 2022-10-08 00:55 | 一人娘の母 おむすび | Comments(0)