十年分のクリスマスプレゼント
2022年 12月 25日
「もうちょっと、ゆっ~くりと‥」
ああだ、こうだと動画編集に没頭する仲間と私。
大型ノートブックPC画面に流れる映像は‥、
『薬物依存は病気です』
と、白バックに毅然と浮かび上がる墨文字。
『手放す愛=タフラブ』
と、鮮明に光彩を放つショッキングピンクのテロップ。
そして、なんとか、かんとか五か月の月日を費やし
関西薬物依存症家族の会が提供する動画が完成!
「やっと出来上がった!!!」
と感激の瞬間を迎えたが‥、
「‥‥‥!?」
背中に視線を感じ何気に振り返ると‥!?
作品の出来上がり、ではなく、(当然か!笑)
注文の出来上がりを待つ長蛇の列のお客さん。
(いつのまにこんなに多くが。汗)
「もし、薬物依存症に罹患しても心配ないですからね!」
と、映像を見ていたかもしれないお客さんに心の中でツイート。
寒風が肌を刺す日曜日の有名バーガーショップ。
家族やカップル、etc.
美味しそうに頬張るシーンは幸せの象徴。
フライドポテトの匂いに胃袋が刺激されつつ‥、
紅茶と珈琲を鼻水とともにすする我々が、
編集している映像のシーンは不幸の象徴。
でも…、
この映像に触れることにより、
「不幸」が「経験」となり「回復」し、
いつの日か、キラキラと笑顔とともに
モリモリとバーガーを味わってもらえたらと祈り制作。
企画・構成、演出、編集、録音‥、
制作の全てオリジナルの手作り。
薬物問題で苦しんでいる‥、
ひとりでもおおくの方にとどきますように。
追記。
完成した映像の「タフラブ」を十年前に選択したわたし。
海上に浮かんでいた身元不明の男性が発見!
記録的な大型台風が島を直撃し甚大な被害が!!
コロナウィルスが猛威を振い島の医療体制が崩壊!!!
薬物依存症に加え若年性の糖尿病を患っている
息子の生死がわからず不安にかられ生きてきた日々。
五年前に再会したが、その後も音信不通が続いていた
薬物依存症の息子から唐突に数日前、ラインが届いた。
「おかん、オトン二人とも元気にしてる?」
「最近の芸能人のニュースで不安になって連絡した!
元気ならなりよりです」
「こっちは真面目に生きているので大丈夫です」
こわばり続けていた肩の筋肉が、スっとほぐれた。
息子の命を心配する側にいたのに‥、
知らぬ間に心配される立場になっていたとは‥。
「息子よ。ありがとうな。十年分のクリスマスプレゼント」
よし。
次の動画は‥、
「ピンチがチャンス」に決定や!
Pon& Cotsu