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タンポポの綿毛が風に乗って種子を運ぶように私たちの思いが​苦しんでいるあなたのもとへとどきますように。


by 関西薬物依存症家族の会

おてまみ

「ママ、おてまみ(お手紙)どうぞ」
娘はしょっちゅう手紙をくれる子 
だった。
産後調子が悪く、寝たり起きたりに
なっていた私を心配しての事だった。


私が調子を取り戻すまで

12年かかった。

娘は一人っ子。私の実家も遠くて

頼れず、調子が悪い私を12年も

側で見ているのは不安だった

思う。

「ママだいすき、はやくよく 

 なってね」

「げんきでいっしょにおでかけ

 しようね」

私の健康を願う手紙ばかり。


リビングを片付けしていたら、

お菓子の箱にいっぱいの

娘からの手紙が出てきた。

こんな時があった...私が病気で

かまってやれなかったから?

でもどうしようも出来なかった。

今娘は回復施設で暮らしている。


動物が大好きで、よく動物園に

行った。何とも味のある絵を描く。

足が速かったし、水泳も得意だった。

何でも卒なくこなせるので、

期待をいっぱいに

かけた。善かれと思って、

口を出し手を出した。

コントロール全開だった。


優しい子だから、私に言いたい事が

あっただろうに、言わなかった。

逆に私の愚痴を聞いてくれていて、

子供らしく過ごせなかったと思う。


依存症になったのは、親のせいでは

ないけれど、うちは機能不全家庭

であり、(主人は父親に覚醒剤問題が

あったAC=アダルトチルドレン

である)私は病気で寝たり起きたり。

親は頼りにならなかったと思う。


不憫さ、罪悪感で一杯で、

娘を治してやりたい、と

依存症に効果があると思われる

施設や病院を連れ回した。

でも本人は薬にはまってしまい、

やめる気もないので、逆効果だった。


先日、ある県のフォーラムに

娘がメッセージに来ると言うので、

オンラインで話を聞いた。

「昔から言いたいことが言えなくて

我慢することが多かった。

その我慢や生きづらさから

薬物を使っていたと思う。

今は仲間の中で正直に話が出来る。

楽になりました。」と笑顔で話していた。うちに居た時とは別人のよう。


やっぱり仲間って大事。

私が家族会や自助グループで

楽になるのと同じ。

親がどうこう出来る事ではなかった。

少しだけ気が楽になった。依存症は

「私のせいではない、治せない、

コントロール出来ない病」

罪悪感を覚えるのではなく、

私が変わっていかなければ。


            nao


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by familiesofaddicts | 2023-03-20 08:56 | nao | Comments(0)