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タンポポの綿毛が風に乗って種子を運ぶように私たちの思いが​苦しんでいるあなたのもとへとどきますように。


by 関西薬物依存症家族の会

愛情をもって手を放す。

もうずいぶん以前から、
私が握りしめているその手を
少しずつ開いていかなきゃならんことは
薄々気づいていた。

だけど、こわくて、怖くて、恐ろしくて。

大切なものが
開いた指の隙間からこぼれ落ちそうで
その不安がそうさせてはくれなかった。

私が手を開いても
手の中に残るものは
必ずあることもわかってはいたのに。

わたしが握りしめるあまり
大切な子どもたちを大切に扱うどころか
握りつぶしていたんだと
そして癒着してしまっていたんだと
今ははっきりわかる。

私はとにかく自分の不安と向き合った。
毎朝
自分に変えられないものを受け入れる落ち着きと
変えられるものは変えていく勇気と
二つのものを見分ける賢さを手に入れたいと願った。

そして今。
あの頃
こぼれ落ちそうだと思っていた
大切なもの
私の母親としての愛情は一粒もこぼれていない。

あの頃
手の中に残ると思っていた
大切なもの
子どもたちの笑顔や彼らとの絆は
私が思い込んでいたものとは違う形と輝きだった。

まだ不安や心配で
もちろん握りしめてしまう時がある。

そんな風に
必死に走り続けてきた今までの自分に出会ったときは
心からの労いの言葉をかけて
簡単な挨拶をし
今までとは別の道を、立ち止まりながら
私の好きな歩調で歩いてゆきたい。

  はな


# by familiesofaddicts | 2019-12-03 10:57 | Comments(0)

静かな1日を過ごす

いつもよりゆっくりと目覚めた朝。
外は青空で雲が浮かんでいる。
とても静かな朝

昨夜と全く違う私…
昨夜、食事に出かけ隣の方と意気投合。
話が和む中で、今度は反対側の方と意気投合
結局、2人で行ったのが帰りは8人になり
お店を出てから、心が踊るように
同じ方向に向かい歩き出している。

あれ?あれ?
これって毎週私が通っている!
自助グループと似ているよね!
名前も、住所も知らない…
お互いを探るわけでもなく
話したいことを話し相手の話を聞いて!

これで私に何が与えられるのだろう〜
始めて行った時の感想。
息子の薬物依存を治したい。今すぐに〜
息子の幸せが私の幸せだった。
彼の不幸は私の不幸。その想いのトルネード中は
助けを求めずに、メガネ、マスクと帽子に車の移動
暗い時しか行動しない。
これを続けていても何も変わらなかった。

まずは、私がメガネと帽子を取り
マスクを外して車ではなく電車に乗ってあちこちの
自助グループに通うことだった。

そこには「ようこそ~」と言って
暖かく迎えてくれる仲間がいた。
日を重ねるごとに
愛、希望、経験の分かち合い。

そして、私の心が開いていく感覚を味わっていった。
今息子と時々会ったり連絡する。
もう責めることもしない
心配ではなく、彼の人生を応援したいと思う。

静かな1日も一人ではなく仲間の中にいる〜

IKO


# by familiesofaddicts | 2019-12-02 08:00 | Comments(0)

職場で動物占いが流行っている。

昔、流行ったやつだ。

「占いましょうか?」

「いえいえ、わかっています、私はライオンです。」

百獣の王はプライドが高く、人の意見を聞かない負けず嫌いの頑固者。

自分にも他人にも完璧を求め世間体を気にする性格。。。


結構当たってる?


そんな世間体を気にするライオンが世間の人が理解できないようなことをやっている。

世間は子供が薬物依存症になったら親として愛と責任を持って更生させるのが当たり前だと思っている。

私だってそう思っていた時期もある。

尻拭いもしたし娘と必死で向き合おうともした。

自分の頭で思いつくことは全てやった。

それでも娘の病は一向に良くはならなかった。

どうしようもなくなって自助グループの扉を開けた。

そして私は「厳しい愛」というものを教えてもらった。

依存症者には「優しい愛」ではなく「厳しい愛」が必要なのだと。

私は一つずつ娘のことから手を引いて行った。

手を差し出すことより手を引くことは身を切られる思いだ。

娘が自分の責任で自分の人生を生きられるように。

心は血だらけになりながら娘を手放した。

私たち親子はお互いの居場所を知らない。


世間一般には理解しがたい状況だと思うけれど、

あれから五年

ライオンの子供は一人でたくましく生きているようだ。

                   yuzuriha.



# by familiesofaddicts | 2019-12-01 02:22 | Comments(0)

息子の怪我

先日、仲間の勧める映画を観に行こうとして
電車に乗っていた時、
依存症の長男の嫁からの電話がなる。
ざわつく気持ちで電話をとると、
息子が仕事先で怪我をして入院したと。
一瞬、どうしていいか分からなくなる。
ひとまず、入院先を聞いて電話を切る。
映画を観る事は諦め、そのまま病院に向かう。
病院に向かう道で、ずっと息子の事を祈り、
自分で自分を励ます。
大丈夫。大丈夫と…

だいぶ前の事だが、
息子が薬物を使っていた頃にも、
仕事先で怪我をした事があった。
その時は、自業自得や〜と顔を見ても
何も感じなかった私。
そういう態度がわかったのか、
息子から「もっと心配せーや」と言われた事を思い出す。
それから数年して、息子が逮捕される事となる。
社会復帰して、家族を持って
仕事で独立して矢先の今回の事故。
私の不安がよぎる。
病院について息子の顔を見て、
痛みはあるけど、大事な事はない。安堵した。

今の私は、今回の事も息子にとって
何か意味がある事と考えられる。
そういう風に考えられるようになったのも
息子の薬物の問題があり
救いを求めた自助グループに通っていたから。
息子と健全な境界線を引けるようになったからだと思う。

今日も私は病院ではなく、
自分の為に仲間のいる家族会に足を運ぶ。
息子の回復を祈りながら。
   
       ⭐︎メリー⭐︎

# by familiesofaddicts | 2019-11-30 08:15 | Comments(0)

僕は再度 病院に向かった

慌てる事も無く 車を走らせた 

これから目のあたりにする

光景を 受け入れる準備をした

受入れずとも 受入れる以外は 無い状況だった

病院に着き 重い足取りで 次男坊の病室に向かった

ドアを開けると 次男坊が 拘束されていた

彼は人間であり 17歳の少年だ 

僕のかわいい次男坊だ 僕のかわいい・・・

言葉を失った 拘束された 次男坊を抱きしめて 

思い切り泣いた 次男坊も泣いた 

溢れ出る涙が 出尽くすぐらい 人目を憚らず泣いた

二人で 泣きじゃくった ほんの数日前には 

想像も出来ない この悲惨な 現状 

戻る事の無い時間 どうする事も出来ない

次男坊に憑りついた 家族に憑りついた 悪魔が

ますます大きくなり 次男坊を 家族を 破壊していく

僕を再起不能に 落としめて行く様だ

帰りがけに ベテランの看護士さんが 

声を掛けてくれた

そんなに 落ち込まないでくださいと 

僕は 複雑な心境の中 頷いた

宜しくお願いしますと 言い残して 

自宅へ帰った

トボトボと帰る 帰り道

まるで精気を抜かれた様に
 

生きている理由が

生きて来た理由が
 

わからなくなった

心の芯まで 冷え切った 

本当に冷え切った

凍えそうな 寒い冬の夜

涙の乾いた 僕の顔に 

冬の冷たい風が吹き付けた・・・

やぶれた タカのつばさ


# by familiesofaddicts | 2019-11-29 21:35 | Comments(0)